こんにちは、森本といいます。
「教育をおもしろくする!」というスローガンのもと、福岡で民間の学童保育や探究学習を軸にしたスクールを運営しています。
今日で3月も最終日。2022年度が終了です。今日のブログでは、4月から始めたCAN!Pラボの1年を振り返りつつ、次の1年に向けての想いを少し書いていきたいと思います。
CAN!Pラボを始めて大成功だったこと
少しだけCAN!Pラボ立ち上げの背景について書きます。
CAN!Pラボは、母体となる「きりんアフタースクール」から派生していったスクールです。
元々「きりんアフタースクール」では3年生までの受け入れとしていたのですが、年々4年生以上の生徒の継続希望者が増えてきていました。
1~3年生と同じ環境で預かりを行っていたのですが、人数が増えていくにつれて4年生以上の子たちの「居場所」がなくなっているのを感じていました。
1年生と5年生では同じ活動をするにも限界のある内容はあるし、低学年の子に合わせないといけない場面も増えます。
一方で高学年の子たちにとっても、自分たちが思い切りやりたいことはあるはずだし、それを思い切り表現できるような「居場所」を作ろうということで“高学年向けスクール”という形で構想が始まりました。
結果的に、自分たちが子どもたちに残したいものは何かを突き詰めていった結果、「自己選択・自己決定をする体験」「探究」というキーワードに行き着き、CAN!Pラボ開校に至ります。
このコンセプトを本当の意味で体現するにはまだまだ時間がかかると思っていますが、まず「居場所」を作れたということはこの1年間本当によかったと思っています。
子どもたちから学んだ3つのこと
この1年間どんなことがあったかなと振り返ってみると、あまりにたくさんの印象に残っていることがあります。正直悩むこともたくさんありました。
今となってはすべて自分自身の糧になっているなと感じています。
だらだらと気持ちを吐露してしまいそうなので、この1年で子どもたちから学んだことを3つに絞って書いていこうと思います。
学びは「個」の”願い”に徹底して寄り添うことから
10人いれば10人違う考えを持ち、違う興味関心を持ち、違う能力・スキルを持ち、違う感性を持っています。
同じプロジェクトを進めるにしても背景に浮かんでいる映像が違うんです。なので、当然アウトプットの形が変わってきます。
1人ひとりが今、どんなことを考えて、どんな風に表現をしようとしているのかをまずは聞いて理解しようとする。すべての学びはここから始まるなと今、感じています。
幸い初年度のCAN!Pラボでは、少人数で「個」に寄り添える体制を作ることができました。ここは人数が増えても崩さないようにしたいなと感じています。
遠回りに見える「無駄」こそ大事
大人はつい最短距離を求めがちです。
これは「こうしたらうまくいくのに」という結論ありきの考え方だと思っています。既にあれこれ経験して結論が分かっているから、子どもたちが遠回りするのを待てないんですね。
しかし、この一見遠回りに見える「無駄」が学びにつながる瞬間をたくさん見てきました。子どもたちはどこに宝が埋まっているか分からないから、とりあえず掘ってみるんです。掘ってみたら宝がなかったので、「じゃあ次はこっちか」となる。
この宝探しの連続こそが「探究」であり、無駄を楽しめるくらいのマインドが必要だなと感じています。
試行錯誤・トライ&エラーを繰り返す経験というのは社会に出てから必須のスキルです。答えを教えるのではなく、「どう思う?」「とりあえずやってみたら」というスタンスで子どもたちと学びを創っていっています。
本気でやりきった熱中が人を変える
この1年間で子どもたちが本気になった瞬間の熱量の高さに何度も触れてきました。
本気でやりきると人は「誰かにシェアしたくなる」ということに気づかされました。自分のやりきったという気持ちをぶつけたくなるんですね。
そこからは確かな自信と、達成感が感じられます。
私たちは育ってほしい生徒像の1つとして、「熱中できる探究者」という言葉を掲げています。熱中して探究した結果の行き先には、自己への自信が待っています。
どんなことでもいいので、最後までとことんやりきる体験を積んでほしいと願います。
CAN!Pラボ2年目に向けて
かなり試行錯誤を続けてきた1年でした。
学校のようにきちんと決まったカリキュラムはなく、目指したい理念だけは大きい。そんな状態でした。
誇れることがあるとすれば、先ほども挙げた安心できる「居場所」を作ることができたことと、その中で子どもたちが元来持っていた発想を自由に表現できる環境を作ってあげられたことくらいでしょうか。
2年目はより多種多様な「個」が混ざり合うことで生まれる化学反応に期待します。
予定調和では生まれない学びを子どもたちと一緒に作っていきたいと思います。
まだまだ発展途上のスクールです。
子どもたちとの七転八倒を一緒に見守っていただけると幸いです。
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